#2 いいいじゅーは難しい
移住=転職ですよね。
退職し東京から限界集落へ「移住失敗、もう限界」 一家の絶望と希望:朝日新聞デジタル https://t.co/fsaElafCNF
— 朝日新聞社会部 (@Asahi_Shakai) January 26, 2023
東京から四国に移住した家族の失敗談。東京生まれ東京暮らしの三十代の元教員の男性は、コロナ過を機に、家族とともに移住を決意。記事では触れられていないが、まず「教職を辞しての移住」という点に、引っ掛かりを覚える。夫婦ともに小学校に勤めていたということだから、ある程度、安定した収入を得ていたであろう。現在(と将来)の安定と、見知らぬ地への「移住」とを天秤にかけた結果、彼らのなかでは「移住」が勝った、ということである。昨今、よく耳にすることだが、それほどまでに教職を続けることがきつかったのか、と勘繰りたくなる。
もうひとつは、そのわりに彼らの移住に対する、あきれるまでの安易さに驚かざるをえない。「地域おこし協力隊」というものに応募したというが、その活動がよくわからない。地域おこし協力隊の公式サイトを見ると、〈おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、各種の地域協力活動を行っていただきます。活動費については、自治体及び活動内容により異なります〉とある。村の草刈りでもやるのだろうか? 謎である。
コメント欄で小熊英二氏が指摘しているように、移住とは「転職」である。〈本当に移住を実行するなら、集落を下調べして、自分で起業するくらいの覚悟があった方がいい〉という小熊氏の言葉は、まったくその通りだと思う。
地方だからこそ、必要としてるのは「使える人材」のはずだ。ある程度の専門職の人間でないと、移住は難しいのではと思う。国家資格のひとつでも持っていないと、移住先で「使える人材」だと認めてもらえないだろう。「実績」と「資格」がないと、村社会の閉鎖的なコミュニティには、なかなか受け入れてもらえない。こんな貢献ができますよと、具体的にアピールできる材料がいる。移住前に何度も足を運んで、ビジネスの話をまとめる――それぐらいの腹づもりで臨まなければ、ウィンウィンの関係は築けないだろう。